インドやブラジルは南極の近くにあった?氷河が残した証拠
2026年5月28日
現在、南極点を覆う大陸は南極だけです。しかし地球史を通じて、さまざまな土地が南の高緯度を通過してきました。その記録は、今の極地から遠い国々の氷河堆積物や化石に残っています。
南極に近い緯度を経験した国・地域
- インド:約3億年前の石炭紀からペルム紀、ゴンドワナの南側にありました。古い氷河堆積物が固まったティライトが、その寒冷な過去を示します。
- 南アフリカ:カルー盆地には、約3億年前の氷河堆積物や、氷が岩盤を削った擦痕がよく残っています。
- ブラジル:約3億3000万〜3億年前、南部はゴンドワナの氷河の影響を受けました。イタラレ層群にその記録があります。
- オーストラリア:ペルム紀には南部などが高緯度に位置しました。温暖な時期の極域の森林は、後に石炭層のもとになりました。
- 南極:いつも現在の位置で凍っていたわけではありません。白亜紀の約1億〜8000万年前には、森林や恐竜が生きられる環境がありました。
- アルゼンチン:パタゴニアやティエラ・デル・フエゴなど、南米南部にも高緯度で形成された厚い氷河性堆積物が残ります。
離れた大陸に残る、同時代の氷河の記録
約3億年前の石炭紀〜ペルム紀には、ゴンドワナの広い範囲が氷床の影響を受けました。現在のインド、南アフリカ、南アメリカ、オーストラリアなどに、同時代の対応する氷河堆積物が見つかります。
ウェゲナーは、この共通する記録を大陸移動説の証拠のひとつにしました。今は熱帯にある土地も、かつて南の高緯度でつながっていたと考えると、分布を説明しやすくなります。
熱帯のインドやブラジルに残る約3億年前の氷河の跡は、大陸の位置が変わったことを考える重要な手がかりでした。
よくある質問
インドは本当に南極の近くにあった?
はい。約3億3000万〜2億8000万年前の石炭紀・ペルム紀には、ゴンドワナの高緯度側にありました。氷河堆積物がその歴史を裏づけます。
南極はずっと凍っていた?
いいえ。森林や恐竜が暮らした時代もあります。約3400万年前ごろには、海流や気候の変化とともに大規模な氷床が発達しました。
昔の極との位置関係はどう調べる?
主な方法のひとつが古地磁気です。岩石中の磁性鉱物に残る当時の磁場を読み取り、氷河の記録などと組み合わせて古い緯度を復元します。