恐竜時代に今の国はあった?化石の産地と当時の地図
2026年5月31日
ティラノサウルスが現在のモンタナを歩いていたころ、アメリカという国はありませんでした。スピノサウルスが今のエジプトで暮らしていたころも同じです。国の歴史と、その下にある土地の歴史は、時間の尺度が大きく違います。
国境はなかったが、土地には歴史があった
鳥類以外の恐竜が絶滅したのは約6600万年前。最初の都市文明は約5000〜6000年前で、近代的な国家の仕組みが整うのはさらに後です。恐竜時代に現在の国々が存在していたわけではありません。
一方、国土をつくる岩石や陸塊は存在していました。ただし、別の土地とつながっていたり、海で隔てられていたりしました。地図上の国境は、長い地質の歴史を理解するための現代の目印です。
有名な恐竜の産地を、現在の国で見ると
- ティラノサウルス・レックス:現在のモンタナ、ワイオミング、サウスダコタ、アルバータなど。アメリカとカナダを分ける国境はありませんでした。
- スピノサウルス:モロッコやエジプトなど、現在の北アフリカ。河川や沿岸の環境で暮らしていました。
- ヴェロキラプトル:現在のモンゴルや中国。白亜紀後期の大陸配置は、今とは異なっていました。
- ブラキオサウルス類:北米西部やタンザニアに近縁の恐竜が知られます。アフリカの代表的な種類は、現在はギラファティタンという別属に分類されます。
- イグアノドン:現在のベルギー、イギリス、ドイツ、スペインなど。当時のヨーロッパには多くの島がありました。
- アルゼンチノサウルス:現在のアルゼンチン。白亜紀の南アメリカでは、巨大な竜脚類が繁栄していました。
白亜紀の地図は現在と大きく違う
北アメリカは西部内陸海路に分けられ、ヨーロッパは島々の多い地域でした。インドは独立した陸塊として北上し、オーストラリアはまだ南極とつながっていました。
ゴンドワナとローラシアの断片から、現在の大陸配置へ向かう途中だったのです。大西洋は若く狭い海で、ヒマラヤはまだなく、ロッキー山脈では造山運動が進んでいました。
よくある質問
今の国がある場所は、恐竜時代も陸だった?
場所と時代によります。陸地の位置も海岸線も違い、北米には大きな内海、ヨーロッパには島々がありました。現在の国土全体が常に陸だったとは限りません。
大陸が今に近い配置になったのはいつ?
約3400万年前ごろには南極の孤立やインドとアジアの衝突が進み、現在につながる配置が見えてきます。ただし、大陸はその後も現在も動いています。
中国からヨーロッパへ恐竜は歩けた?
白亜紀後期のアジアとヨーロッパの接続は一定ではありませんでした。トゥルガイ海などの海域が広がったり縮まったりし、陸のつながりがある時期には動物が移動できました。